case
支援事例
「あと1年遅れていたら…」経営者が語るM&Aのリアル
譲渡企業
- 業種
- 有機溶剤製造
- 所在地
- 愛知県
- 従業員数
- 10名未満
- 譲渡理由
- 後継者不在、会社の更なる発展のため
譲受企業
- 業種
- 化学品卸
- 所在地
- 東京都
- 従業員数
- 200名未満
- 譲受目的
- 事業拡大のため
「100年続く企業にしたい」という譲渡企業の熱い想いと、「歴史を引き継ぎ、地産地消型の供給体制を強化したい」という譲受企業の成長戦略。
この両社の想いが重なり、成約へと至るまでのストーリーをお届けします。
M&A後の経営者(譲渡企業)の事業への関わり方
取締役会長として継続勤務し、会社をサポートされています。
譲渡企業・譲受企業のご紹介
譲渡企業
有機溶剤のブレンドを手掛ける製造企業です。長年にわたり培ってきた高い技術力を強みに、譲渡時には創業90周年という大きな節目を迎えられました。
譲受企業
東京都に本社を構え、全国に複数の製造拠点を有する、有機化学品および無機化学品の製造機能を持つ大手の化学品商社です。
コロナ禍を機に見つめ直した、創業90年企業の「次世代へのバトン」
―まずは、譲渡企業のオーナーであるA様にお伺いします。
先代のお父様から家業を引き継ぎ、20年間会社を守ってこられたそうですが、今回M&Aを真剣に考えられたのは、どのようなきっかけからだったのでしょうか?
譲渡企業 A様:私は先代である父の他界を機に、三代目として代表取締役に就任し、会社の成長に注力してきました。そんな中、2020年のコロナ禍をきっかけに、意識が大きく変わり、事業承継について真剣に考えるようになりました。
『もしここで工場の稼働が止まってしまったらどうなるのだろう』という漠然とした恐怖をリアルに感じるようになりました。『この大切な会社を、なんとしても100年先まで続く企業にしたい』という強い想いから、後継者問題の解決と会社のさらなる発展を目指して、未来へ向けたM&Aを行う決断をしました。
―これまで守ってこられた歴史を次の100年へと繋ぐための、強い覚悟のご決断だったのですね。
一方、譲受企業の社長であるB様は、どのような想いで今回のM&Aへと進まれたのでしょうか?
譲受企業 B様:お話を伺った際、譲渡企業がこれまでの長い歴史の中で築き上げてこられた、強固な顧客基盤に大きな魅力を感じました。
私たちは全国に拠点を持っていますが、自動車産業の集積地である愛知県に新たな事業基盤を獲得できることは、私たちの成長戦略にとっても非常に大きな意味がありました。ここを拠点に『地産地消型』の供給体制をさらに強化していけるという確固たる未来が描けたため、このM&Aを前向きに進める決断をしました。
一人でお悩みのオーナーに寄り添い、信頼を深めた誠実な対話
―お互いの強みや今後の戦略が、重なり合ったのですね。
次はNOBUNAGAサクセションの担当者Cさんにお伺いします。
今回の案件が成約へと至った最大のポイントは、どのような点だったのでしょうか?
担当者 Cさん: 最大のポイントは、譲渡オーナーであるA様の心にどこまでも深く寄り添い、その真摯な想いをB様へ誠実にお繋ぎすることができた点にあります。
事業承継の問題は周囲に簡単に相談できるものではなく、特にM&Aを決意されてからは、守秘義務という制約の中で、経営者がお一人で悩まれる期間が多く生じてしまいます。そのため、私たちは何よりもA様の『気持ちの整理』を最優先に考え、何度も対話を重ねながらA様をサポートしました。その中で、A様が胸の奥にあるありのままのお気持ちを私たちに預けてくださったからこそ、B様に対してもその想いをストレートにお伝えすることができました。この真摯な対話の積み重ねが両社の信頼関係をより深め、双方納得の成約へと導く大きな鍵になったと考えています。
M&Aがもたらした「お金と時間からの解放」、そして充実したセカンドライフ
―徹底的にお客さまの心に寄り添うサポートが、強い絆を生んだのですね。
譲渡企業のオーナーであるA様にお伺いします。実際にM&Aが成立してから、心境や生活にはどのような変化がありましたか?
譲渡企業 A様:M&A後の変化として、私は『お金からの解放』と『時間からの解放』を強く感じています。
今まではたった一人で、決算業務や日々の資金繰り、そして重要な経営判断を常に背負い続けていました。しかし、大きな組織の一員となったことで、それぞれの役割を持ったメンバーに業務を安心して任せられるようになりました。
私は55歳で早めの決断をしたので、自分自身が本当に好きなことや、これからやりたいことを見つめ直す充実した時間ができました。60歳の定年後のライフスタイルやこれからの人生設計を、今、とてもワクワクしながら描いています。
激動の時代だからこそ。経営者が語る「決断のベストタイミング」
―これからの未来を前向きに描かれているのですね。
最後に譲渡企業のオーナーであるA様から、いま事業承継に悩まれている全国の経営者の方へ向けて、メッセージをいただけますでしょうか。
譲渡企業 A様:私たちは2025年に素晴らしいご縁をいただきましたが、今振り返っても『あの時、決断して本当によかった』と心から思っています。
こうして今、誰も予想していなかったホルムズ海峡封鎖の問題が勃発し、石油由来の製品をど真ん中で扱う私たちの業界は、仕入価格の高騰や原材料の入手困難という大打撃を受けました。もし、あの時M&Aの決断がわずか1年遅れていたら、私は事業承継どころではなく、目先の危機対応にすべての体力を奪われていたはずです。お相手の状況も変わっていたでしょうから、このM&Aは難しかったと思います。
つまり、明日、来月、来年に何が起こるか予測不能な経済環境だからこそ、同じ悩みを抱えている経営者の皆様へお伝えしたいのは、『迷って悩んでいる時間はありません。とにかく早い段階で決断すべきです。』ということです。決断が早すぎるということは絶対にありません。自分が決めたその瞬間こそが、最大のベストタイミングなのです。次の世代に同じ苦労や重荷を背負わせないためにも、後継者問題を先送りにせず、今こそ私たちが決断すべきだと思います。
NOBUNAGAサクセション担当者のコメント
譲渡企業が創業90年という長い歳月をかけて歩んでこられた歴史と想いをしっかりと繋ぎ、これからの100年を一緒に歩んでいただける素敵な譲受企業との「ご縁」に恵まれたことを、担当者として大変嬉しく、光栄に思っております。
お打ち合わせの初期から調印にいたるまで、両社の経営者が終始お相手を深く尊重され、温かい思いやりを持った姿勢で臨まれていた姿が非常に印象的でした。A様が早いタイミングで、未来を見据えてM&Aへの決断・準備・行動をされたことこそが、激動の時代においてこの素晴らしいご縁を手繰り寄せた最大の理由だと感じております。
『自社をどう守り、どう次世代へ託すべきか』と、いま一人で悩み、考えていらっしゃる経営者の方、ぜひ私たちにご相談ください。経営者の皆さまが生涯をかけた大切な志を最高の形で未来へ繋ぐため、私たちは「ご縁を迎える準備」をサポートいたします。
